シゴト地図

株式会社アルト

生まれ育った富山を
よりよい街にしたい

学生時代に芽生えた環境意識

「環境に携わる仕事がしたい」。明確な思いを持ち、株式会社アルトに入社した澤村さん。しかし最初からこの業界を志望していたわけではなかった。
 「もともと空港やホテルで、世界を相手にする接客業がしたいと思っていました。仕事に必要な語学を学ぶために、岐阜市立女子短期大学の国際文化学科に進学。卒業後は、大学編入や海外留学も考えていました」

 2年間の学生生活で語学を中心に、海外の文化や社会についても広く学んだ澤村さん。Uターン就職のきっかけはコロナ禍だった。
「進路選択の時期にちょうど新型コロナが感染拡大しはじめて、地元である富山で就職しようと決めました。富山のほうが友達も多いし、働く上での悩みも相談しやすいから、いいかなと思って」。先が読めない状況のなか迫られた進路選択だったが、澤村さんは常に前向きだった。

 富山でスタートした就職活動。自分はどんな仕事がしたいのか、何を大切にして働きたいのか。自分の辿ってきた人生を振り返り、改めて考えていた。そんなある日、新聞を読んでいた両親が見つけたのが、株式会社アルトの求人広告だった。
「将来性がある」と両親からの後押しもあり、会社説明会に参加。そこで聞いた同社の話が、澤村さんが学生時代に芽生えた環境意識と結びついた。

「授業の一貫で、環境問題に取り組んでいる海外の事例を知ったんです。例えば環境先進国と言われるデンマークは、国を挙げてペットボトルや空き缶のリサイクルに力を入れています。それに比べて日本は、まだまだリサイクルが浸透していないと感じていました」
 同社で働くことで、自分が住んでいる街から良くしていけるのではないか。そんな思いが、澤村さんを突き動かした。

持ち前の明るさと、飾らない笑顔が印象的な澤村陽菜さん。電話対応も常に笑顔だ。
持ち前の明るさと、飾らない笑顔が印象的な澤村陽菜さん。電話対応も常に笑顔だ。

お客様と現場をつなぐ橋渡し役

 入社後は総務経理課の一員として、産業廃棄物を入れるリサイクルボックスの手配から、請求書の作成、入金処理までを担当。富山県内各地のお客様と、電話やメールでやり取りをする。
 しばらくは電話口の聞き慣れない社名や言葉に戸惑うこともあった。「入社して2ヶ月が経った頃、初めて電話対応した時のことを今でも覚えています。ハウスメーカーから直接依頼を聞いて、リサイクルボックスを手配するという一連の流れを自分で行ったのですが、とても緊張しました」

 お客様と現場をつなぐ、いわば橋渡し的な役割。現場の社員に対して、お客様から聞いた情報を正確に伝える必要がある。電話で言われたことは聞き逃さないよう、手元には常にメモを用意。わからないことがあればすぐ先輩社員に相談する。地図で場所を確認することも多いため「地図上では富山県に詳しくなった気がします」と笑う。

 顔が見えないコミュニケーションが主だからこそ、日々大切にしているのは「電話越しでも笑顔で話すこと」。自然と声のトーンも明るくなり、感情も伝わりやすくなるという。オフィスの中でも、澤村さんの笑顔はひときわ輝いている。

一歩ずつ、自分らしいキャリアを描く

 飾らない人柄で誰からも愛され、今や会社の未来を担う存在として期待される澤村さん。自分らしく働けている理由の一つがワークライフバランスの良さだ。
 「休日が一定で有給休暇もとりやすいので、プライベートの時間も大切にできています。仕事終わりや休みの日は、漫画を読んだり、ゲームをしたり…家でリフレッシュすることが多いですね。私が働いている総務経理課は女性が多く活躍しているので、将来像も描きやすいです」

 仕事もプライベートも、社会人一年目として充実した日々。「毎日新しい知識が増えていくのが楽しい」とやりがいを感じる一方で、環境への意識はますます高まっている。
 「廃棄物に関してはまだまだ知らないことが多いので、先輩方に教えてもらいながら知識を増やしていきたいです。働いてみて、思ったよりもたくさん廃棄物が出ていると感じているんです。お客様によって困りごとも違うので、リサイクル企業として責任を持って対応していけるようになりたいです」

 コロナ禍が明けたらやってみたいこともある。「お客様の会社がどんな場所にあって、どんな仕事をしているのかを、実際に見てみたいと思っています。現場を知ることで、自分の仕事の意義がさらに深まっていくと思います」。混じり気のない澤村さんの澄んだ瞳は、未来をしっかりと見据えていた。