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BBSジャパン

F1採用のトップブランドメーカーで、ホイールづくりを支えたい。

ブランド力に惹かれて

世界の有名な自動車メーカーが高く評価する、『BBSジャパン』の自動車ホイール。今季から、自動車レースの最高峰F1への独占供給が決定した。
「当社の始まりはF1と聞いていたので、生産力や性能が認められて独占供給に至ったのかなと思います。そういうところで働けていることがすごく光栄だなと思います」

そう話す森貴彦さんは、2021年4月から同社の社員として設備部で働いている。今の道を見つけたのは、就職活動を始めてからだった。
「インターンシップに参加して、さまざまな仕事を知るうちに、設備関係の仕事に興味を持つようになりました。ものづくりにおいて設計はもちろん大事ですが、しっかりとした生産設備が整っていないと、物自体が作れないなと思って。生産設備に携わっていきたいと、ようやく自分のやりたい仕事が見つけられたんです」

生産技術や設備保全の仕事に絞って就職活動に励む中、同社の会社見学と工場見学に参加したのは、学生の頃から企業名を知っていたことが大きい。
「工場見学では、鍛造のプレスの大きさに驚きました。1万2,000トン。あんなに大きなものから車のホイールが作られているんだなと」

スケールの大きなものづくりに加え、知名度の高さが改めて彼の決意を固くした。
「入社の一番の決め手は、BBSジャパンというブランド力でした。知人に就職先を聞かれた時に、胸を張って言えることも大きかったです。親には事後報告しましたが、『あのBBS!?』と驚いていましたね(笑)」

岐阜県出身。金沢の大学を卒業後、BBSジャパンに就職した森貴彦さん。「福井や長野、青森など他県の話も聞けるので、いつか行ってみたいなと思ったりしますね」
岐阜県出身。金沢の大学を卒業後、BBSジャパンに就職した森貴彦さん。「福井や長野、青森など他県の話も聞けるので、いつか行ってみたいなと思ったりしますね」

ゼロから大きく前進

主な仕事のひとつは、工場内にある設備全般の修理対応だ。工場内の設備に異常が起きた際、現場からの依頼に応えて修理を行っている。
「過去に似たような事例がないか調べてから、それに倣って対応をしたり、事例がなければ実際にばらして原因を探ったりしています。自分の安全に気をつけながら修理をし、実際に作業をする方々の安全性を確保することにも気をつけています」

修理の後は、自分の机に戻り、前述の「事例」を作る仕事も欠かせない。
「今後の修理がスムーズにいくよう、故障の原因や修理内容、対応の仕方などを入力して登録し、みんなで共有しています。使用した部品の品番や依頼先、見積もり金額まで事細かく残すことを大事にしていますね」

工場内の設備全般の修理に打ち込む森さんだが、大学では機械工学を学んでいた。
「大学では設備の勉強はまったくしていなかったので、今の業務は未知の領域です。なので、分からないことや困った時には、先輩や上司を質問責めにしていますが、どんな時も丁寧にわかりやすく教えてくださいます」

日々、新しい知識を吸収しながら働く彼にとって、忘れられない日がある。2022年1月24日の出来事だ。
「異常によってうまく稼働しない機械の電気回路のプログラミングを変更しました。一人で考えて対応したのは、この時が初めて。緊張しましたが、今までで一番やりがいを感じ、自分の成長も感じることができました」
その機械は、今も順調に稼働している。

やりたいことを学べる環境

生まれは、岐阜県。大学時代は、金沢で一人暮らしをしていた。「就職してからも一人暮らしを続けたかったので、岐阜に帰るという選択肢はありませんでした」と、今は本社のある高岡市内で一人暮らしをしている。
そんな彼にとって一番嬉しい福利厚生は、家賃のほぼ全額を会社が負担するという社宅制度だ。「助かっています」と笑顔で話す彼の同期には、福井、長野、青森など他県出身者が多い。

福利厚生の中には、資格取得制度もある。「資格一覧表」に記載された資格を取得した社員には報奨金の支給、または資格取得にまつわる費用を会社が負担している。特に同社が奨励しているのは語学。果敢に挑戦している社員は多い。
森さんがこれまでに最も力を注いだのは、社内の資格である検査員だ。一時期、機械加工で研修を受けていた時に取得した。「自分から資格を取りたいと上司に相談し、約1ヶ月にわたって教えてもらいました。自分のやりたいことを学べる職場だと思います」

そして今、やりたいことは、設備の道を志した頃に抱いた夢だ。
「自分が携わった設備を自社工場に導入することを目指しています。プレスやスピニング、機械加工など、この工場にある設備のいずれかを担当したいですね。そのために、参考書を買って隙間時間や休日に勉強しています。大学の知識を生かせない方向に進んでしまったので、自分でフォローしていかないと」
夢をリアルに変えるために。世界水準の品質を創造する場所で、森さんは貪欲かつ謙虚に仕事に向き合う。