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富山電気ビルデイング株式会社

電力インフラを支える仕事。
地域のために役に立ちたい。

インフラ関連に的を絞って就職活動

 東京の大学に進学し、地理学や地域振興について学んだ西本聖吾さん。「都心の大学で、東京の学生生活を満喫しました。でも物価が高く騒々しい毎日で、このまま住み続ける気にはなれず…。Uターン就職を希望し、富山と石川を中心に就職活動を始めました」と振り返る。

 ターゲットにしたのはインフラ関連の業種。人々の生活に必要不可欠なものであり、地域経済に貢献できる仕事だと思ったからだそうだ。また、経営基盤が安定している点にも魅力を感じたのだそうだ。早速、電気や水道、ガス、道路関連の企業をはじめ、インフラに関わる商社なども調べた。そんな中、興味がわいたのが当社だった。
 「当社の商社部門には、自分が探していた仕事がありました。このほか、大学で勉強してきた不動産運用を担う不動産部門もあり、事業領域の広さに可能性を感じました。また電気ビルと言えば、国の有形文化財にも指定されている富山のシンボル的存在。知名度も安定感もある会社だと思い、入社を決めました」

 西本さんが配属された商事部門は、電気工事会社や建設業者に対し、電設資材や電子部品機器を卸売りする業務。設計図や配電図を読み取りながら最適な商品を提案する営業だ。
 「文系出身なので、最初は専門用語の理解に苦労しました。でも知ったかぶりは絶対にばれるので、分からないことはその場で質問し、上司や先輩から教えてもらうようにしました。また商談では『すぐに調べてお返事いたします』と早急にレスポンスするなど、誠意ある対応を心がけ、少しずつお客様との距離を縮めていったという感じです」と西本さん。

Uターン就職して5年。小矢部の自宅から電車通勤している。「富山の暮らしやすさを実感しています」。
Uターン就職して5年。小矢部の自宅から電車通勤している。「富山の暮らしやすさを実感しています」。

街の中にずっと残る仕事

 昨年から担当しているのは、電線の地中化工事に伴う資材供給。近年、台風で電柱が倒壊し、道路が寸断される事故が多発したことから、県内でも国道8号線などの主要道の電柱を地中化する工事が進められている。西本さんの担当は、建設業者や電設業者、土木業者を訪問し、工事に必要な商材を売り込んでいく仕事だ。
 「お客様との対話の中で工事の発注ニーズを汲み取り、必要なマンホールや鋼材、変圧器などを想定して準備を進めておくことが大事。そのためにも、頻繁に足を運び、お客様とのコミュニケーションを密にすることを心がけています」と西本さん。

 昨年秋に担当した市街地の電線地中化工事では、工事開始後、地中に大きな障害物があることが分かり、予定通り進めることができなくなった。西本さんは懸命に解決策を考え、マンホールの設計変更を提案することで問題解決したという。
 「大変な思いをしましたが、お客様から『おかげさまでうまくいったよ。ありがとう』という声をいただき、それまでの苦労が吹っ飛びましたね(笑)」

 このほか、県内機械メーカーの工場すべての水銀灯をLEDに更新する工事では、工事提案から調査、見積もり、設計、工事の工程管理といった一連の業務を担当者として他のスタッフと協力しながら成し遂げた。途中、コロナ禍の影響で動けなくなった時期もあったが、2年越しでようやく完工。大きな達成感を味わったという。

仕事も家庭も充実した毎日

 就職して5年。西本さんが当社営業マンとして、また社会人として実感した成長とは、どのようなものなのだろうか…?
 「まずは人脈が広がりましたね。いろんな技術をもった方、いろんな経験をもった方と話すことでモノの見方も変わりましたし、新しい知識も増えました。また、商事部の業務は基本的に個人プレーなので、一人で計画を立て、時間を采配して行動することがほとんど。なので常に効率を考えて働く意識が定着したと思います」

 明るく、朗らかな笑顔が印象的な西本さん。どんなオファーが来ても笑顔を絶やさず、スピーディかつ丁寧に対処するのが彼の営業スタイルだが、時には一人でこなせない量の仕事を抱えてしまうこともあるそう…。
 「目の前のことで一杯になってしまうことがあります。これからは物事を体系的に捉え、先を見通しながら対処できる人間になりたいですね。将来的にはお客様から“西本に電話すれば何とかなる”と言っていただけるような存在になりたいです」

 地元富山で希望していた仕事に就き、営業マンとしてやりがいのある毎日を送る一方、プライベートでは昨年結婚し、自分らしいライフスタイルを確立し始めた西本さん…。Uターン就職を選んだことは、正解だった。