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北陸電機製造株式会社

モノづくりの全工程を
把握できるのが魅力です。

地域の電力インフラを支える仕事

 大学で機械工学を専攻。ゼミではロボットアームや部品設計について学んだ田村省悟さん。卒業後は地元・富山にあるメーカーでCADを使った設計の仕事がしたいと思い、大学3年の秋から就職活動をスタートさせた。合同説明会では機械メーカーや半導体メーカーなどのブースをチェック。その一つに当社があった。
 「北陸で唯一、変圧器や配電盤を製造している会社だと知り、興味を持ちました。北陸電力のグループ会社として、安定した生産基盤があるというところにも好印象を持ちました」と田村さん。

 田村さんはその後、工場見学会に参加。そこでは発電所や工場、学校、商業施設などで使われる大型変圧器をはじめ、山間部で使用される移動式変圧器なども手掛けていることを知り、地域の電力インフラを支える仕事なのだと思った。
 「職場の雰囲気は、想像以上に和やかでアットホームな印象でした。人事担当者の説明も解りやすかったです。製造業というと交代勤務がある会社が多いですが、ここは日勤のみ。働きやすい環境が整っているなと思いました」

 当社は会社機能のほとんどが滑川市の本社・工場に集約されているので、転勤もない。「地元・富山に腰を据えて長く働き続けたい。仕事もプライベートも充実させたい…」という思いをもって就職活動をしていた田村さんにとって、理想的な企業が見つかった。
 そして2019年4月、田村さんは入社した。

「製造業だけど日勤のみ。転勤もないのでライフプランが立てやすい。仕事もプライベートも楽しみたい人にはおすすめの会社ですよ」と田村省悟さん。
「製造業だけど日勤のみ。転勤もないのでライフプランが立てやすい。仕事もプライベートも楽しみたい人にはおすすめの会社ですよ」と田村省悟さん。

モノづくりの面白さを実感

 入社1年目は、電力会社に納める大型変圧器の構造設計に従事した。クライアントの要望に沿って、類似型をベースに仕様や機能をカスタマイズしていくというものだ。
 「大学時代、CADを使った設計はある程度やってきたので大丈夫でしたが、電気の知識がないのが難点でした。電流や電圧の流れを把握するのが難しかったです。でも、解らないことは先輩が丁寧に教えてくれましたし、敷地内に工場があるのですぐに現物を見に行き、一つひとつ理解しながら進めていくことができました」

 3年目の春からは、配電盤の設計部署に異動。変電所に設置する大型配電盤の設計を担当することになった。
 「変圧器の設計では、電気の知識不足で苦心することが多かったのですが、配電盤はもっと大変でした。配電盤の製造には、部品加工や板金や塗装、組立などのたくさんの工程があります。そのため、工場に頻繁に足を運んで現場スタッフと対話をしながら進めていきました。おかげで各工程の担当スタッフとの信頼関係が深まり、だんだんと仕事がスムーズに運ぶようになりました」と振り返る。
 モノづくりの現場を知ることにより、設計にはお客様の要望だけでなく、塗装のしやすさや組み立てやすさなど、作り手への配慮も必要だということを学んだという。

 配電盤の設計部署に異動して約1年。懸命に取り組んできた大型プロジェクトはようやく終盤を迎えている。
 「まだまだ知識不足を感じています。当面の課題は、電気に関する専門知識を高め、『第二種電気主任技術者』の資格を取ること。開発から設計、製造、検査、納品、メンテナンスまでの仕事の流れを把握し、しっかりと工程管理できるエンジニアになりたいと思っています。そして30歳を迎える頃にはチームリーダーとして4~5人の部下を統括する立場になっていたいと思います」と微笑む田村さん。その表情には、大きな壁を何度も乗り越えてきた達成感がうかがえる。

自分らしい働き方ができる会社

 「初めての会社訪問の時も感じましたが、当社は社員数が350人ほどで、全員の顔と名前が一致するぐらいのちょうどよい規模。部署を超えたコミュニケーションもとりやすく、和気あいあいとした雰囲気の会社だと思います。福利厚生面も充実しており、年間休日は122日あります。製造業にしては多い方だと思いますよ」と田村さん。

 仕事柄、男性が多い会社ではあるが、営業や資材、総務などの部署では女性の活躍もめざましい。子育て世代には支援制度が充実しており、産休・育休のほか、育休明けに時短勤務制度を活用することも可能だ。蓄積した知識や経験を途絶えさせることなく、順調にキャリアアップしていくことができる会社と言えるだろう。  

 最後に…。自身の就職活動を振り返ってもらい、企業研究のポイントについて一言アドバイスをしていただいた。
 「入社前に企業の実態をすべて知ることは難しいと思いますが、例えばインターンシップを利用して現場を体験するのはいい方法だと思います。企業の規模や知名度にこだわらず、フラットな気持ちで企業を見る機会を作るのは重要なこと…。そうすれば入社後に『思っていたのと違っていた』というギャップを感じずに済むと思います。就職って仕事内容も大事ですが、社風や人間関係もすごく大事。だからインターンシップやOB訪問、見学会などにどんどん参加して自分が馴染めそうかどうか、しっかり見極めてください」