シゴト地図

黒田化学

毎日が新しくて楽しいのは
しっかり育ててもらえるから。

理想の会社との出会い

 「生まれ育った富山の企業で、自分の好きなことができる仕事に就きたいと思っていました。」と快活に話す駒井凌大さん。好きなこととは、ものづくり。小さい頃からプラモデルや貝細工などを作るのが好きだった彼は、就職活動を始めるにあたって製造業に的を絞って取り組んだ。

 そんな中、プラスチックを主体にメカ機器やメカユニットなどを作り上げる「黒田化学」を知ったのは、知り合いの先輩が同社の社員だったことがきっかけである。駒井さんの希望を知っていたその先輩から同社を勧められ、何度も会社見学に足を運んだ。
 「大学時代の友人の影響で、車に興味を持つようになりました。ただ、自分の場合は、車の外見ではなく、その中身に興味があったんです。会社説明会で、自動車のエンジンやブレーキなどの部品を作っているということを知り、惹かれていきました」

 事業内容に加えて、もうひとつ駒井さんが就職活動で重視していたものがあった。一緒に働く「人」である。
 「仕事は同期や先輩、上司と協力して取り組むものなので、ともに働く人はとても大切だと思っていました。当社の会社説明会でお話した方々は、とても気さくな人たちで。この人たちと一緒に仕事をしたら、素の自分のまま楽しく仕事ができるのではと思ったんです。」

 ふるさと、ものづくり、そして人。2021年4月、駒井さんは、自身が大事にしている3つをすべて兼ね備えた黒田化学に入社した。

富山県出身。金沢の大学を卒業後、富山の企業に就職した駒井凌大さん。「入社1年目なので、毎日新しい知識を吸収できることが楽しいですね。」
富山県出身。金沢の大学を卒業後、富山の企業に就職した駒井凌大さん。「入社1年目なので、毎日新しい知識を吸収できることが楽しいですね。」

文系でも、ゼロから育成

 駒井さんは今、製造技術部に所属している。高品質な製品を高効率・低コストで生産するための、ものづくりを行う部署だ。部署内は、新たな工法などを作り出す課と、メンテナンスをする課の2つに分かれ、新入社員はまず後者で既存の加工設備などの直し方などから覚えていく。

 製造技術部と聞くと、理系をイメージする人が多いかもしれないが、駒井さんが大学で学んだのは経済学。いわば、文系出身である。
 「製造技術部は、部署全体で新人をフォローするという風土が根付いているんです。入社当初は知識がゼロの状態でしたが、上司や先輩に一から指導していただき、知識を身につけていくことができました。今は、既存の生産ラインの一部の設備を改善したり、簡単な治具などを作ったり、壊れた物の修繕をしたりしています。」

 設備の改善をして終わりではない。広い工場内を歩きながら、改善後の使用感などを実際に設備を使用する現場スタッフの方々にヒアリングすることも、大事な仕事のひとつだ。
 「人と話すのが好きなので、現場スタッフの方とのやりとりも楽しいですね。『使用感が良くなったよ』と言われた時には、とても嬉しいです。設備だけでなく、蛍光灯の取り替えなど、現場の至る所の改善も行っていますが、業務内容が幅広い分、毎日が新しくて飽きません。」

 日々の仕事を楽しそうに話す駒井さん。「将来的には、直接製品を扱う機械設備を調整してみたいですね。」と意欲的だ。

若手の成長を促す職場環境

 駒井さんには、もう1つ大きな仕事がある。「教育道場」の指導者という役割だ。実際に今は、彼より後に入社した中途採用の社員に対して、製造のルールや安全衛生教育、5S活動などを指導している。
 「教育道場では指導者ですが、自分も学ぶ側という姿勢で取り組んでいます。人と話すのは好きでも、人に伝えることはあまり得意ではなくて。それでも、回を重ねるうちに人に教えるスキルがだいぶん身についてきたかなと思っています。入社1年目から新入社員の指導役となり、責任も大きいですがとてもやりがいを感じています。」

 同社の大きな特徴は、人材育成に力を注いでいる点だ。成長段階に合わせた教育・研修体制が整っているため、駒井さんも業務とは別に受講者側になる機会が多い。そのひとつが基礎スキルとリーダーシップを養成する「黒田若手育成塾」。黒田化学の社員としてこれだけは知っておいてほしいという基礎知識を学ぶことができる場である。対象は、全部署の入社3年目までの若手社員。
 「講師は、各部署の部長などその日によって変わるので、さまざまな知識を得ることができます。社長に直接質問を投げかけられる回やグループワークなどもあり、楽しく受けることができています。」

 さらには、海外拠点で活躍したいという意識を醸成するために、希望者は語学教育の受講が可能。中国語や英語の講座を無料で受けられ、中国語検定やTOECIの基準点に合格すれば、語学手当を得られる。また、他部署の社員と交流を図る機会にもなっている。

 「横のつながりだけでなく、目上の方にも気軽に接することができます。分からないことをどんどん質問できるところも、当社の良いところですね。」
駒井さんのように、やる気のある若手社員が、どんどん成長していける職場環境である。