シゴト地図

株式会社中田モータース

いい仕事、いい契約は、
チームプレーで獲得。

地元密着型の経営に親近感

 みぞれ交じりの雨の日、中田モータースが運営する「あっぷるカーズ富山インター店」を訪問。すると傘を持った男性スタッフが走り出てきて、駐車場へと誘導してくれた。奥村行成さん。爽やかな笑顔が印象的な営業マンだ。

 奥村さんが中田モータースに入社したのは2016年。県外の大学に進学していたが就職は地元でしたいと思い、富山で就職活動をスタートさせた。様々な仕事を調べるうち「富山はクルマ社会。自動車の営業職なら仕事を通して人の役に立てるはず」と思うようになり、自動車業界にターゲットを絞っていった。
 合同説明会でカーディーラーや中古車販売店を見学する中で、一番印象が良かったのが中田モータースだった。
 「採用担当のスタッフが気さくな人で良かったです。接客の経験がないことを話すと『最初はみんな不安だと思います。でもしっかりとサポートするから大丈夫』と答えてくれ、親近感が湧きました」と奥村さん。

 その後は職場体験会に参加。スタッフの接客業務や整備風景を見学し、活気のある職場も体感した。
 「お客様がたくさんいて、その中の一人がスタッフに野菜か何か、差し入れを手渡していました。『たくさん採れたから、みんなでどうぞ』みたいな…(笑)。その光景を見て、地元のお客様にすごく愛されている会社なんだと思い、ここで働きたいと思いました」

入社して6年。物腰の柔らかさと誠実な受け答えが印象的な奥村行成さん。「小さなことに気づいて、そこから会話を膨らませていくのが楽しい」
入社して6年。物腰の柔らかさと誠実な受け答えが印象的な奥村行成さん。「小さなことに気づいて、そこから会話を膨らませていくのが楽しい」

目標はあるけどノルマではない

 入社後は新人研修を受講。ビジネスマナーをはじめ、クルマの構造や部品の名称、メンテナンスなど大まかな知識を習得した。2か月目にはジョブローテーションを開始。整備やフロント業務を体験し、部署間の連携体制も学んだ。
 正式な辞令は7月。軽自動車を専門に扱う上堀店に配属され、奥村さんは営業マンとしての仕事を始めた。

 接客販売では、お客様の要望を引き出すことはもちろんだが、お客様が気づいていない需要を探り出すことも重要だと、奥村さんは考えている。
 「ある時、人気車種を求めて来店されたお客様がいました。でもお話を聞くと、その方は1日の走行距離がかなり多いことがわかりました。それなら少しでも燃費の良いクルマを選んだ方がよいということを説明したところ、納得していただき、低燃費の軽自動車を購入していただきました。クルマは長く使うものなので、ブランドやデザインだけでなく、ライフスタイルにあったものを提案することも大事だと思っています」

 入社5年目の2020年3月、奥村さんは新設された富山インター店に異動した。ここは各ディーラーが建ち並ぶ国道41号沿いの立地なので、お客様が求めるサービスもディーラーと同等あるいはそれ以上になる。また全メーカー、全車種を扱うため商品知識のストックが必須だ。例えばSUV車ならディーラーごとの人気車種、ボディサイズ、デザイン、排気量、価格などを比較検討し、その長所や短所をきちんと説明しなければならない。このため同社では定期的な勉強会を開催するほか、ディーラーの新車発表会や展示会に頻繁に出向きながら最新情報の更新に努めているという。

 「近年は技術革新のスピードが早いので、常に情報収集していないと競合に負けてしまいます。でも当社は営業スタッフが一人でお客様を担当するのではなく、チーム全員で情報共有し、売り上げを達成するというスタンス。誰かが知らないことは誰かがフォローし、いい情報はみんなで共有しながらレベルアップしていくという社風なので、ノルマのある会社のようにギシギシ殺伐とした雰囲気はないです(笑)」と奥村さん。

お客様の心に寄り添える営業マンに

 「この仕事の面白さは、クルマを1台売って終わりではないということ。その後の車検や整備を通してお客様とのお付き合いが続き、そのご縁で新しいお客様が繋がることも…。2年前に契約したお客様がご家族やお友達を紹介してくださり、結局4台を販売しました。お客様との信頼関係が構築できたからこそ実現した契約だと思うと嬉しかったですね。この仕事に就いて良かった」と奥村さん。

 現在の課題は、コミュニケーションスキルの向上と社内連携だそうだ。「まだまだ接客対応に稚拙な部分を感じています。先輩の接客を見ていると『買ってください』という言葉は一切言わないのに、お客様の購買意欲をじわりじわりと引き出していく力がすごいんです! 自分にはまだそこまでの提案力やムードづくりがない…。今後は先輩のいいところを真似したり、自分なりに試行錯誤したりしながらお客様の気持ちに寄り添えるスタッフになりたい。また社内的にはみんなから頼られるスタッフになりたいと思っています」と話す。

 最後に、一緒に働きたい後輩の社員像について聞いてみた。
 「接客販売の仕事って誰にでもできそうだけど、実際はそうでもないのが現実です。まずは気づける人。例えばお客様のバッグについているマスコットを見て、子供がいるのかなと思ったら、そこから会話の糸口を見つけてファミリーカーなのか、軽のワゴンなのかという話を膨らませていく…。ともかく人と話すことが好きな人がいいと思います。あとはいろんなことに興味をもってチャレンジできる人なら成長できると思いますよ。まずは見学に来てみてください」