シゴト地図

日本海電業株式会社

助け合える仲間がいるから
自然と向上心が湧いてくる。

この人たちと一緒に働きたいと思った

 平井晴流さんが電気に興味を持ったのは工業高校の1年生の時。何となく選んだ電気科だったが、照明器具の配線をつなぐ実習授業を受け、面白味を覚えた。
 「電気コードのビニルを丁寧に剥いて、曲げたり、輪っか状にしたりして適切な位置に収め、接続していく作業。きれいに仕上がって明かりがついた時は達成感がありました」と平井さん。実習が楽しく、夢中になっていった。

 同年の秋には「第二種電気工事士」の資格取得に挑戦した。元々勉強は嫌いだったが、好きなことなら頑張れる、覚えられるということを実感しながら努力を重ね、見事、一発合格を果たした。
 高2の夏には、叔父の紹介で新築住宅の電気工事を見学。学校で学んでいることの延長線上にある仕事を目の当たりにし、自身の将来像を思い描くようになった。また、現場で働く技術者たちの丁寧な手仕事にも憧れを抱くようになったという。

 そして高3の春。就職活動では学校に来た求人票から「電気工事士」の仕事を探した。3~4社を比較検討した中で、一番惹かれたのが当社だった。
 「会社見学に行った時、まずは雰囲気がいいなと思いました。その後、工事現場にも連れて行ってもらったのですが、想像ではもっとピリピリした感じだと思っていたのですが、みんな笑顔で、すごく和やか…。自分も一緒に働きたいと思いました」

電気工事士としてスキルアップに励む平井晴流さん。休日は仲間とバスケを楽しんでいる。
電気工事士としてスキルアップに励む平井晴流さん。休日は仲間とバスケを楽しんでいる。

見えないところもきれいに仕上げる

 入社後は新人研修を受け、5月のゴールデンウィーク明けには先輩と一緒に現場に出向くように。まずは、道の駅に新設された公衆トイレの照明工事と自動洗浄便座の配線工事に加わった。
 「便座の配線作業は全部で30台。センサー機の中は部品が入り組んでいて、コードをうまく這わせないと蓋が閉まらなくなってしまう。1台目、2台目は先輩に手伝ってもらい、3台目からは一人で。最初は30分以上かかっていましたが、だんだんコツが解ってきて、20台を過ぎたあたりから効率が上がって、15分くらいで仕上げられるようになりました」

 9月に行った現場では、先輩が体調不良で途中帰宅したため、同期の新人2人で残りの作業を担うことになった。「倉庫の天井に線を這わせていく作業だったのですが、図面を見ながらどう伸ばすのか、どう繋げるのかを考えているだけでどんどん時間が経ってしまい、焦りました」と平井さん。特に、配線を梁の裏側に隠したり、接合部をきれいに収める点に苦心したという。
 「先輩からいつも聞かされていた“見えないところもきれいに仕上げるのがうちのやり方”という言葉が蘇り、会社に電話したり、ネットで調べたりしながら必死で仕上げました。大変でしたが、この現場のおかげで少しだけ、電気工事士としての自信がついた気がします」と平井さん。

電気×防災×ITのエキスパートに

 昨年まで制服姿の高校生だったとは思えないほど落ち着いた雰囲気と真摯な対応が印象的な平井さん。生活も、環境も、考え方も、大きな変化を実感した1年間だったのではないだろうか。
 「変わったといえば、小さなことでも相手の気持ちを考えるようになったことでしょうか。仕事では先輩の動きを見て次に使う工具を準備しておくとか、ここをきれいに仕上げたらお客様に喜んでもらえるとか…。プライベートでも、例えばレストランに行ったらトイレが近い友達を廊下側に座らせてあげるとか(笑)。こういう気遣いができるようになったのは会社のおかげですね。困ったことはみんなで支え合う、助け合う風土が職場全体にあるからだと思います」

電気工事は危険を伴う場面も多いので、徹底した安全確認が大事。

 今の目標は、少しでもたくさんの経験を積み、誰からも納得してもらえる工事ができるようになること。その一方では、未知の領域に対する興味も湧き上がっている。
 「当社は電気工事だけでなく、防災無線システムやセキュリティ関連(監視カメラや非常時通報装置など)など事業領域が広いのが魅力。将来的にはこうした分野の知識と技術も習得し、電気と防災、情報通信、それぞれのエキスパートになりたいと思っています」
 穏やかな表情の内側には既に大きな野望が芽生え、膨らみ始めている。