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有限会社 岡崎工務店

お客様の思いと設計士の
こだわりを体現する仕事。

大工に憧れて当社に就職

 子供の頃から家づくりに興味をもち、専門学校で設計や店舗デザインを学んだ橋井蓮さん。やがて、一般住宅を建てる大工になりたいと思うようになった。
 「職人の世界に憧れがありました。でも、昔の丁稚奉公のような働き方はできないと思った。休みがきちんとあって、技術を習得できる会社がいいと思って就活を始めました」と橋井さん。

 学校に届いた「大工」の求人票を見た中で、興味を持ったのが岡崎工務店だった。自宅からクルマで通勤できる距離にあることや、天然素材を使った丁寧な家づくりに定評があることに魅力を感じた。早速、会社見学に訪れると、まずは社内の和やかな雰囲気に好印象をもった。採用試験では、未経験でも入社できるのか、大工としてやっていけるのかといった不安材料を率直に話してみた。

 「若いスタッフが対応してくれ、大卒の未経験者が入社して大工を目指して頑張っているという話を聞きました。社内にはしっかりした教育体制があるから大丈夫だと…。それなら挑戦してみようという気持ちになりました」と橋井さん。
 こうして橋井さんは2016年春、大工職人の卵として社会人になった。

ナチュラルな雰囲気が魅力の橋井蓮さん。プライベートでは2歳児のお父さん。自宅では子育てに奮闘中だ。
ナチュラルな雰囲気が魅力の橋井蓮さん。プライベートでは2歳児のお父さん。自宅では子育てに奮闘中だ。

動画を使った教育システム

 入社後は先輩に同行して建築現場に行き、掃除をしたり、作業の準備をしたりすることからスタート。使用する資材や工具の種類、作業工程などについて学んでいった。
 「初めて現場のことは今もよく覚えています。夏は暑いし、雨が降ると蒸して大変でした。慣れないことばかりで毎日、四苦八苦しましたが、家が完成して引き渡しの日、施主のご家族から『おかげさまです、ありがとうございます』と感謝の言葉をいただき、すごく嬉しかったですね」と話す橋井さん。
 2年目になると直接材木を触ってカンナをかけたり、造作棚などお客様の目に触れる部分を任せてもらったりして、大工に必要な技術を一つひとつ習得していった。

 「今から3年ほど前に担当したお客様は、自分と年齢が近い20代のご夫婦でした。休憩の時に飲み物を差し入れしてくださって以来、仲良くなってメールなどで連絡を取るようになりました。引き渡しから1年経った日、バーベキューに誘っていただき、久しぶりにご自宅にお邪魔しました。自分が建てた家で、お客様が楽しそうに過ごしている姿を見て、感無量になりました。この会社に入って良かったと思った瞬間でした」と話す。

 当社では数年前から教育制度の整備・拡充に取り組んでおり、各作業ごとの手順や道具の使い方、作業のコツなどを10分程度にまとめた動画を作成している。例えば石膏ボードのビスの留め方や、断熱材施工の注意点、玄関框の施工手順などを項目別に丁寧に解説。スタッフは現場に入る前に動画を見て予習をしたり、不明点を親方に質問したりしているという。 

 「予習をして事前に情報を得ていた方が、実際に作業した時に気づけることが多いです。」と橋井さん。
 また、仕上がりの統一化と品質管理のための「施工マニュアル」には、覚えるべき知識と技術が各段階ごとにまとめられている。毎月、目標を設定し、5年で1人前になる成長ステップシートも活用している。

これからは教える立場に

 入社してもうすぐ6年。橋井さんが感じている岡崎工務店の社風はどんなものなのだろうか…?
 「若いスタッフが多いので賑やかですよ。みんなパワフルで仕事熱心。そして真面目に家づくりと向き合っています。設計スタッフはお客様の要望を生かしながらも、自分の意見をうまく落とし込んでいくノウハウをもっているし、大工スタッフは少しでも腕を上げたいと思って日々鍛錬に励んでいる…。そんな同僚や先輩たちにはいつもたくさんの刺激をもらっています」と話す。

 大工の世界はそう甘いものではない。途中で辞めていった人もいる。でも橋井さんがここまで続けてこれたのは、いつも励まし、サポートしてくれる仲間がいたから。多少の厳しさがあっても、それらを凌駕するものづくりの喜びがあったからである。

 今後の目標は、親方のような大工になること。技術力とコミュニケーション力を磨き、社内はもちろん、外注業者からも慕われる存在になることだそうだ。
 「30歳までには『橋井に言えば何とかしてくれるよ』って言われるような一人前の大工になりたいと思っています。また、これから先の5年間は後輩を育てるスタンスを重視にしていきたい。これまで親方に教わった技術をしっかりと後輩に継承していきたいですね」と微笑んだ。