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中野工業株式会社

頼れる先輩たちのおかげで
毎日が充実しています。

生まれ育った地元で働きたい

 子供の頃から好きだったお菓子作りの技術を極めたいと思い、製菓専門学校に進学。お菓子作りのスキルを磨いてきたという山口心春さん。
 「専門学校に入学した頃は、将来はお菓子を作る仕事に就きたいと思っていたのですが、実際に知識や技術を学んでいくと意外に重労働だということに気づきました。また毎日、同じものを大量に作らなければならない製菓の仕事に違和感を覚えるようになって…。大好きなお菓子作りは趣味のままにして、仕事にしない方がいいかもしれないと思うようになったんです」と山口さん。

 結局、就職は製菓にこだわらず、自分ができそうな仕事で、自宅から通えそうな地元企業を探すことにした。ハローワークで求人を探す中で、目に留まったのが当社。詳しい仕事内容は解らなかったが、自宅から近いことに魅力を感じ、まずは見学に行ってみることにした。

 「仕事内容は社長と工場長が丁寧に説明してくれました。工場では部品やねじを揃えて、袋詰めする作業を見学しました。細かい作業でしたが、私に合ってるかもしれないと直感的に思いました。職場も自分が想像していたよりも明るい印象。『未経験でも大丈夫ですか』と聞くと、『未経験で入社する人がほとんどですよ。できるようになるまでしっかり教えるから大丈夫!』と言ってもらえたので安心感が湧き、ここで頑張ってみようと思いました」と山口さん。

「地元で働きたい」という希望を叶えた山口心春さん。平日の夜や休日は、大好きなお菓子作りをしたり、友達と会ったりしてリフレッシュしている。
「地元で働きたい」という希望を叶えた山口心春さん。平日の夜や休日は、大好きなお菓子作りをしたり、友達と会ったりしてリフレッシュしている。

一人でできることが増えていく

 入社後は、女性の先輩が山口さんの技術指導を担当してくれた。玄関ドア等の施工に必要な部品(ねじやキャップ、金具部品など)を、仕様書に従って商品棚から選んでいくピッキングという作業を覚えていった。扱う部品はねじだけでも色、サイズ、形の違うものが数百種類ストックされている。そこから必要な品番を確かめ、必要な数を揃えていく作業は想像以上に細かく、緻密だった。

 「最初はどれも同じねじに見えて、識別するのが大変でした。どの棚にどの品番のねじがあるのか、少しずつ覚えながら作業を繰り返していきました。2カ月ぐらい経つと、ちょっと要領が良くなってスピードが上がっていくのを実感できるようになりました。3カ月経った頃、先輩から『随分、早くなったね』と言ってもらえたのがすごく嬉しかったです。褒められて伸びるタイプなので(笑)」

 半年ほど経った頃には、新しい仕事が加わった。袋詰めする作業を外注先に手配する仕事だ。地元にある3カ所の福祉作業所に向け、作業手順や作業内容を解りやすく伝え、期日までに仕上げてもらわなければならない。 
「同じような形のねじ、色が似ているねじはなるべく重ならないように手配したり、間違えやすいところにメモ書きをつけたり、出来上がりのサンプルをつけたり…。とにかく作業する人の立場になって、自分だったらどうしてほしいかを考えて手配することを心がけていました」と山口さん。

 入社から約1年で、驚くほど作業効率が上がったと高評価を受けている山口さん。その成長の背景には、先輩たちの温かいサポートがあったという。
 「入社時からペアになってくれている先輩は、私の母親ぐらい、年齢が上の女性です。仕事だけでなく、プライベートでもいろんな相談にのってもらえるのですごく頼りになる存在です。仕事中は私語を控えていますが、終業後は『今日はどうだった?』と気軽に話しかけてくれ、おしゃべりしながら一緒に歩いて帰るのが楽しみの一つになっているんです。ほかの先輩たちもすごく親切ですね。いつも気遣ってくれて、ありがたいなと思っています」と山口さん。

誰もが長く働き続けられる職場

 「社会人になった同級生とたまに会ったり、メールしたりする時、お互いの職場のことを話すことがあります。大きな工場で働いている友達は『解らないことがあってもすぐに聞ける人がいない』とか、『人間関係がしんどい』とか、職場に不安があるみたいです。その点、私は先輩に恵まれているし、困っている時はすぐに質問できる環境で良かったと思っています」と山口さん。
 山口さんにとって、就職とは“どんな仕事に就くか”ということ以上に“誰と働くか、どんな職場で働くか”が重要なポイントだったと言えるだろう。

 職場環境の良さは数字にも表れている。社員数はこの15年間で約2倍に増えて現在263名。10年以上勤続している社員は87名を数える。また近年は、女性の管理職が増えており、全体の38%。男女の区別なくキャリアアップできる環境が整っていることがわかる。
 子育て世代の社員に対する支援体制も強化され、育児休暇取得率は100%。また育児休暇後の職場復帰をスムーズに促すための時間休制度(1時間単位の有休取得)も導入している。

 「時間休をうまく使っている先輩は多いですね。午前中に予防接種を受けて11時から出社するとか、午後2時から授業参観に行くとか…。柔軟な働き方ができるのが魅力です。私も将来、結婚したり、子供を生んだりしても、先輩たちのように仕事と家庭を両立させて働き続けたいと思っています」と山口さん。
 やりがいのある仕事と頼りがいのある先輩たちに恵まれ、山口さんの社会人生活は、思いのほか充実している。