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富山スガキ

「くすりの富山」の
役に立ちたい

企画に携われる営業職

 「大学生の頃から、お客さまと会社をつなぐ営業職に魅力を感じていました。当時は大阪に住んでいましたが、地元・富山に貢献できる職に就きたいと思い、Uターン就職をすることに決めたんです」と話す中村寛大さん。2022年4月、地元に本社を構える「富山スガキ」に営業職として入社した。
 同社は、1877(明治10)年に創業し、現在は医薬品パッケージをメインとする総合印刷メーカー。製薬や化粧品メーカーから官公庁まで幅広いユーザーの声を真摯に受け止め、市場調査・マーケティングを実施し、高付加価値を備えた製品の企画・デザイン、設計から印刷、加工までを一貫して行っている。
 営業職に的を絞って就職活動を行った中村さん。同社を選んだ理由は、その仕事内容にある。
 「当社の営業職は、お客様と打ち合わせを行い、企画デザイン部門とお客さまをつなぐだけでなく、製品のデザインや設計にも関わることができます。その話を会社説明会で聞いたときに、『ここだ!』と思いましたね」
  「くすりの富山」として全国的に知られる富山県には、医薬品製造業の企業が多い。「医薬品に関わる印刷物を製造している当社で働けば、地元の人々の暮らしを豊かにできるお手伝いができるのでは」と考えたことも入社の大きな決め手のひとつになったという。
 実際に同社で働いてみて改めて実感することがある。「一貫生産体制によって、お客さまのあらゆるご要望に対応できることが当社の強みだと思っています」と中村さん。さまざまな声に応える製品づくりで培った同社の技術力や創造力が、パッケージ分野にとどまらず商業印刷の分野でもデジタルメディアの技術を取り入れ、多種多様な企画を生み出している。中村さんが働く同社は、印刷を通じて、印刷メーカーの枠を広げている。

富山県出身の中村寛大さん。「お客様から『がんばっているね』と言われた時が嬉しかったですね。一営業マンとして認められているのかなと思いました」と笑顔で話す。
富山県出身の中村寛大さん。「お客様から『がんばっているね』と言われた時が嬉しかったですね。一営業マンとして認められているのかなと思いました」と笑顔で話す。

スキルと意欲を高める教育体制

 中村さんは今、医薬品メーカーを訪問し、医療用医薬品や一般用医薬品、健康食品のパッケージ提案などを行っている。帰社後は、客先での内容に応じて他部署に仕事の手配を行い、特に企画デザイン部門とクリエイティブな打ち合わせを行うことが多い。
 入社後、7月に北陸営業課に配属。その3ヶ月後に初めて担当の得意先を持った。
 「新入社員研修では、各部門の基礎知識や作業内容を学び、一通りの流れを知ることができました。7月からは先輩社員に同行し、指導を受けながら営業の仕事を覚えてきました。最初は何が分からないのかも分からない状態でしたが、少しずつ分かることと分からないことが明確になってきましたね。知識が増えるにつれ、お客さまとの商談にもいい影響をもたらしていると思っています」
 入社の決め手のひとつとなった「企画に携われる営業職」を実際に体験したのは、担当を持った約1ヶ月後のことである。
 「得意先から依頼を受け、デザイン、色校正などの手配を初めて自分で一通り行いました。お客さまや社内に対する納期の交渉が大変でしたが、製品が無事納品され、その見本が手元に届いた時には達成感を覚えましたね。テンションも上がりました」この経験について「一生忘れることはないと思います」と話す中村さん。
 少しずつ段階を踏みながら育成し、営業職の醍醐味を伝える教育体制が整っている。
 同社では毎年、東京ビッグサイトで開催される「インターフェックスジャパン」や、「ギフトショー」などへの出展にも力を入れている。2022年7月中旬に開催された「インターフェックスジャパン」では、薬機法(正式名称:医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)改正に基づく医療用医薬品の添付文書の同梱廃止対策やオンライン診療などの医療のさまざまな変化に対応する、新たな形状やサイズのパッケージを中心に出展した。
 「裏方のサポートとして1日参加しましたが、県外の営業課の方々がお客さまに対応されている姿を見て、とても勉強になりました。なかでも刺激を受けたのは、1つ上の先輩。素晴らしい対応力で、自分も一年後にこうなりたいと思うようになりましたね」若手社員の意欲を高める機会も多く設けられている。


日々成長できる社風

 SDGsという言葉が生まれるずっと前から、同社では富山市内の小・中学校・幼稚園に通う子どもたちにラジオ体操カードを贈呈している。1948年に初代社長が、地域と子どもたちに明るさや元気を届けるために始めた。親から子や孫、三代に渡るこの取り組みは、今もなお続いており、2018年より立山町に新工場を建設してからは、立山町にも贈呈している。
 印刷を通して、社会との調和を目指す同社は、社内の調和にも優れている。
 「営業課は上司や先輩方に質問しやすく、相談しやすい職場環境ですね。どなたも丁寧に教えてくださいます。アドバイスをいただけますし、こちらの意見も聞いてもらえるので、少しずつ成長できる会社だなと思っています」
 部署間の垣根を越え、多くの先輩や上司の方々の考えに触れられる環境でもある。
 「企画デザイン部門などの方々は、自分の良いところと間違っているところを教えてくださるので、ありがたいです。他部門の方にもしっかり育ててもらっています」

同期入社の2人は、どちらも営業職。仲間と切磋琢磨しながら互いに高め合える環境でもある。

同期入社の2人は、どちらも営業職。仲間と切磋琢磨しながら互いに高め合える環境でもある。
風通しのいい職場環境。上司には、特にパッケージの設計について相談や質問をすることが多いという。
風通しのいい職場環境。上司には、特にパッケージの設計について相談や質問をすることが多いという。
 同社では、他にもSDGsへの取り組みを積極的に行っている。そのひとつであるアップサイクルプロジェクト「SIDE」では、医薬品パッケージの品質管理に必要な「色調限度見本」の製造過程で発生した余りを使って、新たな価値を生み出す製品開発を推進。その第一弾となるポストカードサイズのカラーカードが、第62回富山県デザイン展にて優秀賞を受賞した。

 「将来的には得意先の担当者から「中村に任せたい」「中村に任せてよかった」と言ってもらえる営業マンになり、会社や地域にも貢献できるような人材になりたいと思っています」と中村さん。新たな技術とアイデアで『お客さまと、その先のお客さま』の課題解決に力を注ぐ同社は、社員一人ひとりの向上心をかき立てる。