北陸コンサルタント
公共事業の建設コンサルティング事業を展開する
北陸コンサルタントでは、自然と人間社会の共存をテーマに、
景観を配慮した設計や構造物の長寿命化に取り組んでいる。
同社では、道路や河川、橋梁、都市計画などの公共事業を主体とした建設事業のコンサルティングを行っている。
「地球環境を守り、自然と共生しながら豊かな人間社会を実現」を企業理念としており、同社の事業そのものがSDGsといえる。
環境への取り組みとしては、業界に先駆けて環境調査を実施。朝日町笹川で行った砂防工事では地元住民と有識者による検討委員会を設置し、地元住民の意見を聞きながら堰堤を設計した。「通常の護岸ではなく素朴な石組みにし、全断面魚道とすることで川に生息する鮭の遡上に影響のない構造にした。住民に愛着をもってもらえる景観を目指した」と社長の榮知之氏。こうした環境調査は施工後も実施している。
氷見市の河川工事では、絶滅が危惧されている淡水魚・イタセンパラの保護に取り組んでいる。イタセンパラはかつて同市の万尾川、仏生寺川などに生息していたが、近年は絶滅が危ぶまれている。このため同市では2003年、保護池を整備し、繁殖と保護に取り組んでいる。
同社では、氷見市内の仏生寺川での河川工事が発注される際は必ず生息調査を行い、イタセンパラを発見した場合は工事影響範囲外に放流し工事が行われている。こうした生態調査により、地元小学校の総合学習や環境教育にも協力している。
一方、近年は砂防ダムや橋梁、トンネルなどの経年劣化が進んでおり、同社ではこうしたインフラの老朽化対策業務が増えている。周辺環境にも配慮し、人と自然の共存を図りながら、メンテナンス性とコストバランスに優れた設計を提案している。榮社長は「今後も自然との共存共生を第一に、長年培ってきた技術力を発揮していきたい」と話している。