皆さん、こんにちは。
「Kinet」就活アドバイザーをしている合同会社ハピオブの島田です。
新年度となりましたね。就職活動も本格化してきました。
4月といえば「桜」ですが、富山の中心部はすでに「葉桜」です。
富山市の桜の満開は、観測を始めて以来、最も早かったそうです。
就職活動のピークも、年を追うごとに段々と早くなってきています。
就活の指標と言われている経団連のルールによれば、4月は「選考解禁前」となります。
ただ、実情はすでに多くの企業(大手中小問わず)が選考を開始しています。
富山県内も例外ではありません。すでに就活戦線はスタートしています。
今回は「志望動機に書くべき3つの視点」についてお届けします。
また、富山のことについても所々で触れていきたいと思います。
志望動機といえば、どの企業の選考を受けるにしても避けては通れない「必須課題」のひとつです。
就職活動の最初の関門でもある履歴書などの応募書類や、一次選考の面接などでも質問されるまさに「王道中の王道」の設問です。
私はこれまで何千枚と応募書類に目を通してきましたが、志望動機が自分の言葉でしっかりと書けている就活生は、面接にも一貫性があり、採用担当者からの評価も高いです。「ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)」と同様に、それなりの分量を求められる設問でもあり、さらには企業分析ができているかどうかも試されている質問です。
私が就活生から相談を受けた際は、下記の3つの視点を盛り込むようにアドバイスをしています。
① その企業を知ったきっかけ
② その企業を受けようと思ったきっかけ
③ その企業で活躍できると思ったきっかけ
就職活動より前の段階から関連のある商品に触れているなどして、
自分自身が企業(もしくはその企業の製品やサービス)を知った経緯のことです。
就職活動で企業名などは初めて聞くかもしれませんが、
意外と身近にあった製品でよくよく考えてみれば「聞いたことがある」というケースも多いです。
特に「toC」のビジネスを展開している会社であれば、イメージしやすいかもしれません。
富山県を例にしてみると、たとえば虫さされの時に塗る「ムヒ」は、
富山県上市町の製薬会社「株式会社池田模範堂」という会社が作っています。
また、「鋼の錬金術師」や「ウマ娘」などのアニメーションを制作しているのは、
富山県南砺市の「株式会社ピーエーワークス」という会社です。
富山県内にも、皆さんが知らないだけで私たちの身の回りにある商品やサービスを制作している会社はたくさんあります。
また、商品に企業名は載りませんが、一部の部品を製造している会社も多いのが富山県の特徴です。
「ものづくり県」と富山が言われる所以でもあります。
「知ったきっかけ」については取り繕って書く必要はありません。素直な気持ちで書くのが最も良いでしょう。
実際に説明会や会社見学に参加して事前のイメージがガラッと変わったり、採用担当者や社長の話に胸を打たれ親近感が湧いたなど、就職活動を開始してから生まれた変化のことです。
特に「toB」などの日常ではあまり触れることのないビジネスをしている会社は、就職活動の中で意欲が高まるケースが多いです。
全く知らない会社なのに、最初から意欲が高いなんて、おかしいですよね。
富山県は前述した通り「ものづくり県」ですが、部品メーカーが多いこともあり、最終製品には名前がないことが多いです。
特に自動車部品に関わる会社が多く、何には宇宙に関わる製品の部品を作っている会社もあります。
例を挙げればキリがないのですが、そんなロマンのある製品づくりに関わっている会社の方々はとても輝いています。
実際の社員の話を聞けば、就活生の皆さんもわかるはずです。
富山県の県民性は「倹約家・働き者」と言われています。
よく「薬売り」をイメージする方が多いですが、昔の富山は冷害が多かったので用心深く「念には念を」という考え方がビジネスにも影響を与えています。
呉羽山を挟んで呉東と呉西で使う言葉や性格も少し違ったりします。
ビジネスと地域性はリンクする部分が多いので、ぜひ富山の地域性も調べてみると面白い発見があるかもしれません。
新卒採用とはいえ、数年後には一人前の社員として活躍してほしい。
採用する企業はそんな願いを持って採用活動に取り組んでいます。
実際に企業について理解した上で、自分の性格と照らし合わせて「貢献できる部分」を示すことはとても大事です。
自分なりの仮説でいいので、その会社で活躍する未来について考えて言葉にしてみましょう。
企業や商品・サービスについての愛着、企業の理念などへの共感性、さらには尊敬する人の有無など、
自分がこの会社を「大きくしたい」「一緒に働きたい」と思う理由は様々です。
同じ社員として働く仲間を探すことが企業の採用活動です。
最終的に採用されるのは「一緒に働きたい」と思われる人です。まずは自分からその想いを伝えましょう。
富山県民は「生真面目」と言われています。やや堅苦しい性格の人も多いので面接などでは他の地域に比べてカチッとした場面が多いかもしれませんが、真剣な回答を真剣に受け止めてくれるでしょう。
どこにでも通用しそうな上部の言葉で話すのではなく、自分の中で誇りのある部分や確かな自信を感じていることを堂々と訴えましょう。それが皆さんの理想を叶える第一歩です。
合同会社ハピオブ共同代表兼CEO
島田 勝彰(しまだ・かつあき)
組織開発コンサルタント。富山県生まれ。
富山大学人間発達科学部を卒業後、同大学職員を経て独立。
「主体性を育む場づくり」をテーマに企業や団体、
行政等の人材開発・組織開発・採用支援を行う。
短大や専門学校にて客員講師も務める。